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オルフェーオの竪琴〜イタリア古典歌曲の夕〜
2003.12.18

 日本のオペラ界を代表するバリトン歌手の牧野正人氏と、独奏から伴奏まで幅広く活躍中のリュート奏者つのだたかし氏による、イタリアの初期バロックの名曲で構成された演奏会でした。全ての歌曲は、牧野氏の訳詞の朗読(『オルフェーオ』ではリュートの即興的伴奏付)に続き演奏されました。大きな舞台でオーケストラ、合唱団を従えなお朗々と響き渡る美声の牧野氏のみをご存知だった観客の方には、繊細なリュートの伴奏にのせて語るように歌う、今回のバロック唱法は非常に新鮮だったようです。また、牧野氏のユーモアと暖かみ溢れる解説は、大変わかりやすかったと好評でした。伴奏も含め、リュートの生演奏を初めて聴いたというお客様も多く、バロックファンの方にも、これまであまり馴染みの無かった方にも満足していただける演奏会となりました。
 ※写真上2点はリハーサル、下2点は本番。

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■当日の演奏曲目■
*オルフェーオの竪琴
  竪琴の調子を合わせ … C.モンテヴェルディ
*オペラ「オルフェーオ」より … C.モンテヴェルディ
  天の薔薇よ
  愛しい人よ、君が死に
  力強き霊よ
  いかなる名誉が
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*リュート独奏
  トッカータ … G.G.カプスベルガー
  ガリアルダ … G.G.カプスベルガー
  マドリガル「逃げたいけれど」 … 作者不詳
  コレンタ … S.G.ダ・パルマ
*古いイタリアの愛の歌
  麗しのアマリッリ … G.カッチーニ
  甘きため息 … G.カッチーニ
  深い谷よ … M.ダ ガリアーノ
  美しい娘よ … V.カレスターニ
  あなたはすべて私のものだった … C.モンテヴェルディ
  裸足のニンファ … C.モンテヴェルディ
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【アンコール】
そよ風吹けば … G.フレスコバルディ
幸運な男  … O.ヴェッキ
悲しい運命 … 作者不詳
私の歌を聞いて喜べ … J.ペーリ オペラ「エウリディーチェ」より

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『音楽現代』コンサート・クリティーク(2004年3月号)

 バロック・バリトンの牧野正人が戻った。リュート・つのだたかしとの定番デュオである。
 牧野はこの間、オペラでの活躍が目覚ましかった。独特の味を出すキャラクター歌手として定評がある。つのだたかしとのデュオ「オルフェーオの竪琴」は、いわばその原点と言えるだろう。
 客席100の空間を2人は一挙につかんだ。つのだの抑制的なリュートの響き、それとは対照的な外交的な牧野のバリトン。間に挟んだ牧野の分かりやすいトークも功を奏し、モンテヴェルディの名アリアが劇的に展開する。「オルフェーオ」からアリア4つ。愛の喜び、最愛の人を失った悲しみ、人間の純粋さの礼賛、しかしそれでも人間の弱さを歌にする。2人がそのドラマ性を大切にするからこそ、聴き手は古典オペラも近代オペラ同様分け隔てなく手に取るように馴染めるのだろう。後半リュート独奏と、愛をテーマにしたイタリア歌曲。中でもカレスターニ「美しい娘よ」のなんと楽しかったこと。今後レパートリーの開拓に期待したい。(12月18日、ムジカーザ)(宮沢昭男)

(音楽現代社様、宮沢昭男様のご厚意により転載させていただきました)